「好きなことで生きていく」は呪い【嘘|仕事|勘違い|得意なこと】
こんにちは!めお(@meeowmiya)です。海外でイラストレーターとしてフリーランスして生活しています。
今回は、「好きなことで生きていく」ことについて、私の考えを話していきたいとおもいます。
好きなことを追求することがメインストリームな中、私は好きじゃないことしても幸せに生きていけると思うし、むしろ「好き」は一種の呪いだと思います。「好きなこと」を気にしなくなって、随分気持ちがラクになりました。
「好きなことで生きていく」の歴史
2000年代、パソコンもスマホもインターネットも一般人が買え、持ち運ぶことができ、生活していくツールとして使えるようになりました。そして、大企業に所属していなくてもSNSを通じて個人で表現・発信ができるようになりました。
「好きなことで生きていく」はこの時代、2015年にYouTubeのキャンペーンで使われた言葉です。
YouTuberが好きなことをして生計を立てているキャンペーンから「好きなことで生きていく」というメッセージが「好きなことで生計を立てる」であることは間違いありません。
この文脈で考えたときに、①自由な選択肢が与えられ、好きなことでお金を稼げるというポジティブな背景と、②誰もが好きなことを仕事にできるようになり、好きでもないと生き残れないというややネガティブな背景の2つが浮かび上がります。
「好きじゃないと生き残れない」か「生き残れなかったから好きじゃない」か
「好きでもないと勝てない」という部分に対して、私は大いに疑問を感じています。
私の所属するCG業界も激務が多く、残業の長い夜のたびに毎日14時間CGやらないと生き残れないと言われ、土日出勤、3徹4徹、朝来たら床に転がって人が寝ているなどがフツウの世界でした。
ここで疑問なのは
「好きだったら」土日も出勤し、3徹4徹して、毎日14時間仕事できるのか?
激務に耐えられないのは「好きじゃないから」なのか?
ということです。
「好きじゃないと生き残れない」という言葉は、好きなら生活を犠牲にできるはず、好きなら勝ち残るまで頑張れるはず、という押し付けのように私には見えます。
要求されているレベルの生活が実践できない理由が「そこまで好きじゃなかった」というのは何だか違います。
好きじゃなくてもトップになれなくても生き残れる
「好きじゃない=できない」というのは「好きじゃない→トップになれない→できない」というロジックなんだと思います。
しかし、幸せな家庭を築き、業界のトップにいない人が不幸なのでしょうか。
心身ともにボロボロになりながらトップに立っている人が幸せなのでしょうか。
業界トップにいること、大企業にいること、より多くお金を稼いでいることはマーケティングされている幸せの形のひとつに過ぎません。
トップじゃないと生き残れないのは嘘です。
飲食店から国家まで、さまざまな選択肢があります。
多様性がある限り、人が生き残れる道はたくさんあり、また多様性こそが社会の強みと深みになります。
同じようにトップに立たないと勝てない、という考え方がただ一つの選択肢じゃなくてもいいと思います。
嫌々仕事をしている人は少なくありません。
ですが、仕事は好きじゃなくても週末の趣味を楽しみに幸せに生きている人がたくさんいます。
そういう人たちの「幸せ」は否定できません。
自分よりも頑張っている人は必ずいる。
例えば学生は社会人よりも体力と時間があるし、社会人は経験が豊富です。親や子供の面倒を見る人はさらに時間が限られます。
所得が低ければ「好きなことをやること」よりも「今を生き延びること」の方が遥かに優先です。逆に、それらを何も心配せずに好きなことだけやれる社会的地位の人もいるでしょう。
自分よりも頑張っている人、頑張れる自由がある人は世界のどこかに必ずいます。
そんな中「誰よりも好き」や「誰よりも頑張る」は戦略として破綻しています。
「好きなこと」は指標のひとつでしかない
やろうとしているのは本当に好きなことか、という質問は大きな文脈の中で必ずしも最重要候補ではありません。
何が好きか、どんな生活がしたいか、幸せとは何か、人生の優先順位は何か。
「好きなこと」は配られたカードの一部にすぎません。
社会がどう言うかではなく自分の頭で考え、幸せやできる範囲を見極めて、どう手札を使うか試しながら決めること、「好きなこと」の一点からよりも、色々な視点から人生を考え、包括的に戦略を組む方が理想に近づけるんじゃないかと思います。
まとめ
以上、「『好きなことで生きていく』は最悪のアドバイス」でした!ポイントを👇にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください!
- 好きじゃないとできないは嘘、やりがい搾取
- 苦痛でもできるし生き残れる
- 幸せや自分ができる範囲を自分の頭で考える
- 「好きなこと」は指標のひとつ
- 手持ちのカード全てを見て戦略を立てる方が現実的
「役に立った」と思っていただけたら、シェアいただけますと幸いです。ブログやWEBサイトなどでのご紹介もとても嬉しいです!