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アメリカのインターネットカルチャー、Girlbossとは?【インスタ攻略|FIRE|SNS|フェミニズム|MLM|女性の社会進出】

こんにちは!在米10年目、現地企業勤務のめお(@meeowmiya)です。

ABOUT ME
めお(meow)
めおです!アメリカで大学院を卒業後、現地企業を経てフリーランスで働くイラストレーターです。海外留学、海外キャリア、フリーランス、英語などが得意分野です。

突然ですが、私は海外生活はもちろんのこと、海外のカルチャーにもすごく興味があり、特にインターネットを通じて人々がどのように社会を築いているかについて興味があります。

本記事では、私がアメリカで生活する上で触れてきた最新情報をまとめ、英語圏のインターネットカルチャーの文脈で注目された「Girlboss」について解説していきます。

2010年代後半にかけて、#Metooなどの追い風を受けて一世を風靡したGirlbossカルチャーですが、その実情が情弱ビジネスであることが暴かれると、瞬く間に衰退していきました。

英語圏独特のHustle Cultureについての情報はまだまだ日本には入ってきておらず、海外に住んでいるからこそ書ける内容であるという自負があります。

海外の最新情報の参考として、本エントリーを参考にしていただければと思います。

それでは詳しく見ていきましょう。

Hustle Cultureとは?

Girlbossをググると次のように表示されます。

a type of manicured woman who pursues success at the expense of others who claim to be self-made, running their own business, and acting as their own boss.
女性の社会進出を謳い、自立して成功を追いかけている様子を演出して他人を搾取する女性。経営者であることが多い。

日本で言うところのインスタでよく見る男性に頼らず自立して働き、キラキラ人生を楽しむことも欠かさないバリキャリ女子といったところです。

日本ではフリーランスや会社経営、タワマン、ブランドもの、旅行、スタバなどのキーワードと共に語られますが、アメリカではビジネスオーナー、車、家、仲間などの文脈で語られることが多い言葉です。

Girlbossの栄枯盛衰

Girlbossの起源は、Sophia Amoruso(ソフィア・アモルーソ)の2014年の自伝的小説「#Girlboss」にさかのぼります。

この小説は、Amorusoが「Nasty Gal」ブランドを創設し、成功するまでのストーリーを描いており、Amorusoはその後、女性たちにビジネスの手法を伝えるためのプラットフォーム「Girlboss Media」を立ち上げました。

アモルーソがこの著書で語る企業であるNasty Galは現在破産しています。

女性の社会進出や自立、男性に頼らないキャリアアップを支援し、女性のエンパワーメントを促進するというGirlbossの考え方は、インターネットやSNSの拡散力も手伝って2010年代後半に爆発的な人気を誇りました。

しかし、Girlbossの概念が浸透するにつれ、多くの企業やインフルエンサーが、この考え方を利用して自分たちの利益を追求するようになりました。  

ふたを開けてみると、これらは高額な講演料やコンサルティング料を女性たちから巻き上げることで利益を上げる、インフルエンサーを使った情弱ビジネスです。

こういった高額な出費を払って何も学ぶことがなかったどころか、最悪の場合借金を追う人も多く現れました。

こういったアプローチが本当の意味での女性の自立・進出を妨げるのは明らかです。

特権と自己責任

Girlboss文化に対する批判として「特権と自己責任」があります。

特権

image たとえばGirlbossブームに乗って成功したインフルエンサー、Rachel Hollis(レイチェル・ホリス)の場合、彼女自身が白人で人種差別を受けないことに加え、 当時の夫Dave Hollis(デイヴ・ホリス)は、ディズニーの重役であり、コネもお金も持っていました。

傷ついた私を助けてくれたこと ──ウソや思い込みを捨ててなりたい自分になる
レイチェル・ホリス (著), 小西敦子 (翻訳)
パンローリング株式会社
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このような特権が彼女のビジネスの成功に関与があったことは言うまでもありませんが、こういった話に彼女自身は一切触れず、ハードワークや初志貫徹など、現実的ではない聞こえの良い精神論がメインです。

一方で彼女の読者の多くは軍人妻や主婦など、主に低所得でコネもお金もない人がほとんどで、彼女のような「特権」がなければいくら努力しても成功するのは難しいという指摘があります。

自己責任Girlbossのナラティブは「自分の人生の責任は自分でとる」というものです。

しかし、先にも述べた特権のように、実際に成功するためには「運」の要素が非常に大きく絡んできます。

そのため、「自分自身の成功や失敗は自分自身の責任である」という考え方は間違っているだけではなく、女性が自分自身を責めることにつながり、孤立や更に深い借金地獄にハマること、メンタルヘルスの問題を引き起こすこともあります。

MLM (マルチ商法)

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こういったナラティブを最悪の形で利用したのがMLM(Multi-level marketing: マルチ商法)です。

MLMは女性たちをGirlbossだ、ビジネスオーナーだとはやし立て(実際は9割が借金地獄に苦しむ雇われオーナー)Girlboss系インフルエンサーを招いて搾取に拍車をかけました。

SNSがブームに役立ったことは言うまでもありませんし、girlbossの概念がビジネスによる搾取を正当化するために利用されることも日常茶飯事でした。

こういったブラックな経営の末に裁判沙汰になったのがレギンスのマルチ商法Lularoeです。

Lularoeの栄枯盛衰を描いた「Lularich」は米国アマゾンプライムで視聴可能です。

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日本におけるGirlbossカルチャー

日本でも、女性が自立する「バリキャリ女子」「億女」をはじめ、キラキラ輝く自分を演出することが価値観として浸透してきています。

特に若い女性を中心に、インスタグラムやTiktokなどのSNSを利用してオシャレで自立した自己プロデュースやインフルエンサ―ビジネスが広がっています。

こういったインフルエンサーはフリーランスや副業ブームに乗っかってオンラインサロンやスクールなどの形で「自己実現」を売り、搾取も横行しています。

しかし、一時は大流行となったGirlbossカルチャーの栄枯盛衰は、現在は「怪しいビジネスは、参加者が声を上げて撤退すれば衰退する」という文脈で語られています。

そんなおいしい話があるわけない、というあなたの直感はおそらく正しいです。

こういったビジネスの搾取に合わないための教訓として、歴史を記録する意味で投稿になればと願っています。

まとめ

以上、「アメリカのインターネットカルチャー、Girlbossとは?」でした!

「役に立った」と思っていただけたら、シェアいただけますと幸いです。ブログやWEBサイトなどでのご紹介もとても嬉しいです!

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