アメリカのインターネットカルチャー、Hustle Cultureとは?【ブログ|FIRE|SNS|仮想通貨|成功|生存戦略|ブログはオワコン?】
こんにちは!在米10年目、現地企業勤務のめお(@meeowmiya)です。
突然ですが、私は海外生活はもちろんのこと、海外のカルチャーにもすごく興味があり、特にインターネットを通じて人々がどのように社会を築いているかについて興味があります。
本記事では、私がアメリカで生活する上で触れてきた最新情報をまとめ、英語圏のインターネットカルチャーの文脈で注目された「Hustle Culture」について解説していきます。
雇用の不安定化やフリーランスブームなどを受けて一世を風靡したHustle Cultureですが、その実情が「誰よりも努力すれば必ず成功できる」というナラティブを使った情弱ビジネスであることが指摘され、瞬く間に衰退していきました。
英語圏独特のHustle Cultureについての情報はまだまだ日本には入ってきておらず、海外に住んでいるからこそ書ける内容であるという自負があります。
海外の最新情報の参考として、本エントリーを参考にしていただければと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
Hustle Cultureとは?
Hustle Cultureをググると次のように表示されます。
The glorification of working very long hours in hope of reaching one’s professional goals while having a disregard for their health, and relationships with loved ones
自分の健康や大切な人との関係を犠牲にして、キャリア上の成功を達成するためにとにかく働くことを美化する文化。
日本で言うところの#ブログ書けや#今日の積み上げなどに代表される、とにかく行動すれば個人の特権、運、才能などに関係なく成功できるといった内容です。
日本でもアメリカでも、ブロガーやFIRE、SNS、仮想通貨、成功、生存戦略などの文脈で語られることが多い言葉です。
Hustle Cultureの栄枯盛衰
Hustle Cultureの文脈でGary Vee(ゲイリー・ヴィ―)でしょう。
Gary Vee(ゲイリー・ヴィ―) 、本名Gary Vaynerchukは、インフルエンサー・マーケターとして知られています。
両親から継いだワインビジネスで、SNSを使ったマーケティングをきっかけに大成功したことで有名になり、その後、デジタルメディアエージェンシーであるVaynerMediaを共同設立しました。
また、著書やポッドキャスト、YouTubeチャンネルなどを通じて、起業家精神、ソーシャルメディアマーケティング、ビジネス戦略に関するアドバイスを提供しています。
Gary Vaynerchukは、ソーシャルメディアの活用や個人ブランドの構築において非常に影響力のある人物であり、特に若い起業家やビジネスパーソンにとっては重要な存在です。
彼はHustle(努力)の重要性を強調し、「成功=努力」論を主張しています。
また、彼のメッセージは自己啓発や目標達成に関心を持つ人々に対しても影響力があります。
Hustle Cultureに対する指摘
先行者利益
Hustle Cultureで大成功を挙げたGary Veeを始め、ブログや仮想通貨など、どの分野でも広く語られるのが「タイミングが良かっただけなのでは」という指摘です。
たとえばGary Veeが実家のワイン事業から自身のメディア会社に進出したのは、SNSが台頭し始めた時期と同じで、彼がノウハウの一部として語る毎日投稿や"成長を記録"といった手法はマーケットが混雑する現在では全く使えないという指摘があります。
特権と運
また、Hustle Cultureを推進するメッセージ性が強いとして挙げられるイーロン・マスクやスティーブ・ジョブス、キム・カルダシアンなどは自身が白人であるという特権や、学歴、コネ、富、運のような要素について全く言及しないことも指摘されています。
成功のためには努力が(ある程度は)必要、というロジックが通用しても、努力は成功のためのひとつの要因に過ぎません。
生まれや運などに比べれば、努力の量はあまり大きな影響力を示さないことも多々ある中で、「成功=努力」の方程式を売るのはあまりに乱暴だという指摘もあります。
オワコン化した分野でノウハウを売る
突然ですが、ここで歴史の話をします。
アメリカ西海岸で砂金が出たことを受けていっせいに国民が西海岸に向けて移住を行ったゴールドラッシュでは、一番儲かったのは、つるはしやざるなど、砂金を掘るためのツールを売った人だという逸話があります。
この歴史から、英語では「Sell shovels during the Gold Rush」という言葉があります。
レッドオーシャンとなった分野で真っ向から戦うよりも、「攻略法」などのノウハウを売った方が儲かるという意味です。
実際、Hustle Cultureは、オンラインサロンや有料コンテンツ、また仮想通貨やNFTなどを信者たちから巻き上げることで利益を上げる、インフルエンサーを使った情弱ビジネスであるという指摘があります。
日本におけるHustle Culture
また日本でも同時期に、ブログブーム・SNSブームを始め「努力すれば成功できる」というナラティブが大流行しました。
日本におけるHustle Cultureでも、アメリカと同じように👇のような指摘があります。
こういったインフルエンサーはフリーランスや副業ブームに乗っかってオンラインサロンやスクールなどの形で「ノウハウ」を売り、搾取も横行しています。
しかし、一時は大流行となったHustle Cultureの栄枯盛衰は、現在は「怪しいビジネスは、参加者が声を上げて撤退すれば衰退する」という文脈で語られています。
そんなおいしい話があるわけない、というあなたの直感はおそらく正しいです。
こういったビジネスの搾取に合わないための教訓として、歴史を記録する意味で投稿になればと願っています。
まとめ
以上、「アメリカのインターネットカルチャー、Hustle Cultureとは?」でした!
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👆でも言及したGary VeeはAudible限定でポッドキャストを行っています。少しハードルが高いかもしれませんが、アメリカの最新情報を得られるのは日本語の情報では限界があり、生の情報に触れるのが一番です。Audibleなら本場のカルチャーに触れられるコンテンツに簡単にアクセス可能!アメリカのカルチャーに興味がある方はぜひ登録してみて下さい。