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アーティストビザ (O-1ビザ)を申請するには?【スポンサーなし|H1bビザ却下|アメリカ|難しい?】

こんにちは!めお(@meeowmiya)です。 渡米3年目、現地企業で働き初めて1年で、アーティストビザ(O-1)を取得しました。

当時の私の状況と言えば

  • 職歴なし新卒1年目
  • H1bビザ抽選に落ちた
  • STEM-OPTを使えない
  • OPT失効2ヶ月前

とお世辞にも笑えない状況。アメリカで働くための最もポピュラーな就労ビザ(H1b)の倍率は今も3倍以上です。

この記事では、H1bがダメだった、という人でも挑戦できるアメリカ就労ビザの選択肢としてO-1ビザ獲得の体験談とプロセスを紹介します。

O-1ビザとは

O-1ビザとは科学、芸術、教育、ビジネス、またはスポーツの分野で「卓越した能力を有する者」に発給されるビザで、通称アーティストビザとも呼ばれます。

O1ビザは例えば、俳優やモデル、アーティストがとるようなビザです。

アメリカビザ申請ではスポンサーが必ず必要であり、H1bビザの場合は雇用主がスポンサーになります。

しかし、エージェントを通していくつものブランドやプロダクションのもとでフリーランスのように働く俳優やアーティストのため、O-1ビザは雇用主でなくともエージェントをスポンサーとして立てる選択肢をとれます。

エージェントはアメリカ永住権保持者かアメリカ国民、簡単に言えば米人であれば誰でもエージェントになれます。

私はビザスポンサー付で現地企業に雇われましたが、H1bの抽選に落ち、その後全てのビザスポンサーを打ち切られており、おまけにOPT失効まで3ヶ月切っているという絶望的な状態でした。

とにかく無理ゲーすぎる中で片っ端から弁護士に連絡し、「あなたがとれるビザはない」と断られ続ける中で、信頼する方から紹介された弁護士を通じてO-1ビザについて知りました。

雇用主スポンサーなしで、H1bに落ちても申請でき、ビザが失効する前に就労ビザを獲得するという条件をO-1ビザは全て満たしています。更に雇用主をスポンサーにしない選択肢をとる場合、ビザの書き換えなしで転職でき、エージェントの許可があればフリーランスもできるというH1bにはない特典もついてきました。

O-1ビザのメリット

  • 雇用主のスポンサーなしでも申請できる
  • H1bに落ちても申請できる
  • フリーランスができるようになる
  • ビザ変更なしで転職ができるようになる

O-1ビザ取得のタイムラインと費用

  • 2017年9月中旬 会社のスポンサーを打ち切られ、O1ビザ申請準備開始
  • 2017年10月下旬 O1ビザ申請提出
  • 2017年11月上旬 O1ビザ取得
  • 費用 5500ドル(60万円)

新卒1年目の私が「卓越した能力」を証明した戦略

O-1ビザの最大の難関は、「卓越した能力を有する」つまり業界トップの実績があると証明しなければいけないことです。

しかし私は新卒一年目。アーティスト、イラストレーター、アニメーター、デザイナー、どの切り口でいっても業界トップの実績なんかありませんでした。

ただ一点、私の専門である誰も聞いたことのない分野「メディカル・イラストレーター」としてだけは業績トップを示せる可能性がありました。

業績トップは業界が狭いほど狙いやすくなります。

例えば「イラストレーター」として世界のトップのになるのが難しくても「足が不自由な子供向けの絵本作家」という括りでなら、競合が一気に減って断然トップを狙いやすくなりますよね。

私の場合は「科学に特化したイラスト」ということで著名な科学者の研究に大きく貢献したというロジックを使いました。

理系研究室にいた人ならわかるかもしれませんが、研究室にはだいたい1人ぐらい「図が描けるヤツ」が現れます。

私はその「図が描けるヤツ」を極めすぎてプロになったようなもんでした。

今まで指導教官や共同研究者のために図やシェーマを描いてきたため、科学の分野で実績のある人物から信頼を得て一緒に仕事し、成果に貢献したという虎の威を借る形で実績を証明できる可能性がありました。

「あなたなら絶対に取れる」と弁護士は太鼓判を押しました。

O-1ビザのプロセス

O-1ビザの申請は主に実績の証明と推薦状のふたつから構成されます。

推薦状をバチクソに強くする、というのが弁護士の提示した戦略でした。

書類をまとめたりカバーレターを書く作業は弁護士がやってくれますが、「証拠集め」は自分でやるスタイルです。

スポンサー

前項の通り、アメリカ人であれば誰でもO-1のスポンサーになれます。

必要なのはスポンサーの基本情報(住所や生年月日に加えてSSN、パスポートのコピー)とサインだけ。

スポンサーに出資してもらう必要や本当にエージェント業をやってもらう必要もありません。

信頼できる友人に頼むと「いいよ」と二つ返事をもらえ、書類を送ってサインをもらいました。

推薦状

O-1ビザには、なんと8-10通の推薦状が必要でした。まず10人、一緒に働いたことがある人や組織を探さなければいけません。

繰り返しになりますが新卒一年目の私には難関です。

ちょっとだけ仕事したフリーランスのクライアントや共同研究者、過去に公演した研究室などに頭を下げてどうにか8人かき集めました。

忙しい教授陣の中には基本的にメールの返信が遅い人もいます。

手紙を書いてくれとなると1ヶ月経っても書き始めてないという可能性も。修正を含めるとどう考えても定石通りにやって期間内に8人分の推薦状を集めるのは不可能でした。

最短で書類を集めるために私のとった手は、自分でたたき台を作って直して欲しいところだけ直してもらい、サインをもらうということでした。

自分の推薦状をほぼぜんぶ自分で書いている状態です。

実績の証明

実績の証明では今までとった賞や掲載されたメディアなどを集めてまとめます。

日経!みたいなメディア掲載歴はありませんが、自社製品をコンペに出すときに「連絡先が必要なんだけど」と言われて率先して立候補したおかげで代表になっていた受賞歴や、多くの人が面倒くさがって出さないコンペ受賞歴、ラボや企業訪問をお願いし、「ちょっと喋ってほしい」と言われた「講演」歴を掲載し、メディカル・イラストレーターの名簿を調べ上げて自分と同じ資格や学位、業績があるのが世界で何人ぐらいいるのかも調べました。

別記事で書いていますが、私はコネや根回し、人が面倒臭がってやらない実績作りは命より重いと思っています。

実績の証明は、今までのコツコツが重なったのが大きかったです。

まとめ

足掻くこと1ヶ月、どうにか全ての書類を揃えてアメリカ移民局に送り、あとは毎日ネットでステータスをチェックする日が続きました。

永遠とも思われた2週間が過ぎ、強制出国まで2ヶ月を切った11月、ついにO1ビザが承諾された旨を知らせる通知が届きました。

O1ビザを通じて私は人生において大切なことを学びました。

それは評価というものが多面的であるということです。

誰もが無理だと口を揃え、会社がスポンサーを打ち切る状況でたった1人の弁護士が「あなたなら絶対に取れる」と太鼓判を押してくれました。

そしてアメリカ移民局に業界トップの実績があると認められました。

自分でさえ自分を信じられなかった時に信じてくれる人がいなければ私は今ここに立っていません。

O1ビザ通すなんてすごすぎる、と何度も言われるけど、全て私を信じてくれた人のおかげです。

通知をもらって久しぶりに安心してビールを飲んだ夜、指導教官に言われた一言を思い出しました。

私はあなたをどこに出しても恥ずかしくないぐらいに育てたつもりです。あなたを育てた人の手前、自分に自信を持ってください。

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