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【徹底検証】「一週間かけて本気の作品を作る」を1年(=52週)続けると上達するのか?【イラスト上達|実録|辛口レビュー】

こんにちは!めお(@meeowmiya)です。

1週間に1枚、1年間(=52週間)作品を毎週作ってSNSにアップしたら上達するか?

2019年にこのようなセルフ企画をしました。その時の記録を公開します。

本記事は次のような悩みを持つイラストレーターにオススメです。

  • 作品が少なくてポートフォリオが作れない
  • タッチが定まってなくて営業しづらい
  • 今の実力に限界を感じていて、突き抜けたい

「1日1枚描いてSNSにアップする」をして「時間制約があって低クオリティになってしまう」という限界を感じた方もいるかもしれません。

時間をかければ下手な物が出せなくなり、限界が広げられて高クオリティの作品ができるのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

制作の記録は👇こちらのTumblrにまとめています。

イラストは上達したか?

まず「時間制約があって低クオリティになってしまう」という問いに対して、制作期間を延ばしてもクオリティは大して変わらず、上達もあまりしませんでした。

良いものが作れる時もあれば、調子が悪い時もあり、結局すべて確率の問題という感じです。

というのも1週間あれば「最後の最後まで待つ」状態になるからです。

  1. 自分が下手だとわかっている
  2. 失敗しないように細心の注意を払っている
  3. 作る作品の1枚1枚をポートフォリオに入れられるように変な力が入る

この3点が揃った状態では、制作活動は「上達するための練習」ではなく「あんまりやりたくない作業」になり、ギリギリまで手をつけなくなりました。

教訓① 上達を無視して「楽しく」しないと上達しない

得られたのは「上達したいから」は毎週作ることのモチベーションに繋がらないため、結局上達しないという知見です。

楽しければ、制限を設けなくても自然と机に向かうし、失敗を恐れず試行錯誤も繰り返せます。

その結果、自然に上達するわけです。

「上達したいからやろう」には意味もないし、結果にも繋がりません。

イラストを描くことは習慣化されたか?

やると決めた1年間はやっていましたが、1年が終わってからは燃え尽き、全く描かなくなりました。

イヤなことに中期的に耐えるスキルが身に着いたという感じでしょうか(耐える力はそれなりに人生には役に立っています)

教訓② 「どうやれば楽しくできるか」を模索した方が効率的

前項と同じように「習慣化したいからやる」では習慣化できないという禅問答のような状態になりました。

今思えば、1週間あるんだったら完成するかどうかなんて関係なく「どうやれば楽しくできるか」を模索した方が効率的だったと思います。

楽しいという状態にさえ入れば、期間を設けなくても、忙しくても、自然と作る時間を確保する工夫をしたくなるはずだからです。

イラストのタッチは定まったか?

期間中、特に最後の方は「色々なタッチを試そう」と決めてやりたいことを全部やっていましたが、むしろ迷子になったと思います。

当たり前ですが、どういうタッチでもそれを極める必要は出てきます。

ちょっとお試ししたぐらいで「これだ!」とはなりませんでした。

教訓③ 「やりたいタッチ」を基準にすると選択肢は絞れない

やりたいタッチを基準に選ぶと、あれもこれも試したくなります。

修行を積んでいないので大した作品はできず、何も選べなくなる状態になります。

一方で「得意なタッチ(=苦痛を感じずにできる)」を基準にすると、苦痛なものをどんどん切り捨てられるので選択肢を狭めやすいかと思います。

SNSは伸びたか?

これに関しては完全にNOです。

モチベにしていた「ずっと作品を作っていれば必ず上達するし、必ず誰かが見ている」というアドバイスも逆効果となり、「こんなに頑張ってるのに何も起こらないということは相当才能がないんだな」という気持ちになりました。

教訓④ SNSは虚構

SNSを定期的に観測していて後からわかったことですが、SNSは虚構なので正しいフィードバックが得られません。

有名アカウントが「初めてイラスト描いてみた」とつぶやく方が、名もなき私が100時間かけて超大作を作るよりもバズるのを何度も見た苦い経験から学んだのは次の通りです。

  • SNSはテクニックで伸ばせる
  • SNSでは「誰が言うか」以外は評価されない

仕事に繋がったか?

ここまで来れば予想できる方もいるかと思いますが、完全にNOです。

教訓⑤ 自分を受け入れてくれる場所で営業する方が早い

多くのイラストレーターが「自分は営業できるレベルに達していない」と感じていますが、街で見かけるイラスト、本当に1枚も描けるものはないですか?

スタバの看板とか映画のポスターとかじゃなくてもいいんです。

少しでも描ける人だったら、マジで何も描けない方が珍しいのではと思います。

そういう需要のありそうなところに営業をかける方が仕事には繋がりやすいです。

また、仕事を通してイラストを描く方が結局は上達します。

ポートフォリオは充実したか?

これもNOです。期間中作った作品は1枚もポートフォリオに入れていません。

教訓⑥ もっと戦略的にポートフォリオを作った方がいい

行き当たりばったりで作っているだけでは、作品数が増えてもポートフォリオの統一感がなくなります。

ポートフォリオ目的で作品を増やしたいのであれば「こういう風に売り出したいから、こういう作品を揃える」と戦略的にやった方が「尖った」ポートフォリオになると思います。

毎週イラストをやってよかったこと

よかったことは次の通りです。

人に見せられるものが増えた

普段は仕事のイラストを描いていますが「こんなのも趣味でやってるんですよ~」という話題を広げるネタになりました。

努力の方向性を再確認できた

「これだけやって成果が出ないんだったら…」と良い意味で考えすぎなくなりました。

例えば先ほどのTwitterの例のように「SNS伸ばす手段として、イラストをアップするのはやっても無駄」のようなことがたくさんわかったため、方向性の間違った努力をぐっと減らすことができました。

また、「下手でもイラストをアップすると必ず良いことがある!」と意見が合わない人を見分けるリトマス紙になりました。

恐怖感を解消できた

SNSであれイラスト仲間であれ家族であれ、良くない作品を公開するのに緊張していましたが「誰も大して見てないし気にしていない」と分かったため、恐怖感を取り除くことはできました。

毎週イラストはおすすめか?

オススメ度 ★☆☆☆☆

私個人の感想としては「時間をかけてイラストを描く修行」は苦行な上に時間の無駄だと思います。

同じ1年あるんだったら、「毎日とか毎週とか期間を設けなくても楽しく続けられる」方法を探す方が有意義だと思います。

まとめ

以上、「『一週間かけて本気の作品を作る』を1年(=52週)続けると上達するのか?」でした!

「一日一絵」の検証もしていますので、よければご覧ください。

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ABOUT ME
めお(meow)
めおです!アメリカで大学院を卒業後、現地企業を経てフリーランスで働くイラストレーターです。海外留学、海外キャリア、フリーランス、英語などが得意分野です。

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