不妊治療体験記!治療前に知っておきたかったことを全てまとめました【体験談|不妊治療|卵子凍結|体外受精|IVF】
こんにちは!めお(@meeowmiya)です。
半年ほどかかった不妊治療が終わり、受精卵凍結を完了しました。 本記事では、私の不妊治療について、受精卵凍結の全行程を公開します。
この記事を読んで得られることは次の通りです。
- 不妊治療、特に受精卵凍結の体験談が得られる
- 治療を受ける上で前もって知っておくべきことがわかる
- アメリカでの治療や、不妊治療まわりの保険制度についての知見が得られる
不妊治療を受けるにあたり、慣れないアメリカでの治療ということもあってたくさんの友人(産婦人科医の先生やナースなど含む)の助けを借りて情報をかき集め、不妊治療にあたりました。
それでも人による部分や不安や不明点、戸惑うことも多く、どれだけ体験談を聞いても足りないなと終わった今でも思います。
こういった方に本記事が一参考になればと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
目次
タイムライン
- 2/25 IVFを考え始める
- 3/22 PCP予約
- 4/1 IVF専門医に連絡 (留守電)
- 4/10 IVF専門医に初診予約 (前週の留守電折り返し)
- 4/26 PCP診察
- 5/12 生理開始
- 5/14 IVF専門医初診・ホルモン値測定 (血液検査)
- 5/17 卵管造影 (エコー)
- 5/24 遺伝子検査
- 6/11 事前検査結果が出揃う
- 6/25 IVF専門医再診・保険に申請開始
- 7/30 保険から申請承認
- 8/16 生理開始・排卵誘発剤注文
- 8/17 卵巣刺激開始(卵巣刺激のスケジュールは別掲)
- 8/29 採卵
- 9/4 凍結完了
費用
筆者はアメリカにて治療を受けていることをご留意ください。
治療費総額は保険無しの金額、支払った治療費は保険でカバーされず実際に支払った額(out of pocket)です。凍結維持費もout of pocketです。
アメリカでは加入している保険によっていくらカバーされるかが異なりますので、実際に支払う額は保険によってかなり幅があります。個人の体験談として参考にしてください。
- 治療費総額:$35k (2024年10月時点で500万円ほど)
- 支払った治療額;$1500 (20万円ほど)
- 凍結維持費: 月$110 (2万円ほど)
総額の内訳
ここでは保険介入前の金額を示します。括弧内は保険介入後、実際に私が払った金額を指します。
- 排卵誘発剤:$17.5k ($150)
- 事前検査(精子、遺伝子、卵管造影含む):$7.5k ($100)
- 専門医診察料:$1000 ($25)
- 採卵:$10k ($650)
行動開始から検査や保険承認など含めて約半年で1サイクル終了
受精卵凍結1回を行った総治療費はおよそ500万円(平均より良いクリニックを使っています)
保険適応で、実質の出費は20万円程度
不妊治療を行なった理由
今すぐ子供は考えられず、子供が欲しいという強い願望がない私たちが不妊治療に踏み切った理由としては次の2つがあります。
- 単身赴任による別居
- 不妊治療を大幅にカバーしてくれる保険
- 将来、子供が作れる可能性を残したい
もっと早く気づきたかったと思うポイントとして、今すぐ子供が欲しいわけではなくても卵子凍結・受精卵凍結ができるという点です。
夫婦ともにキャリア思考でなかなか妊娠に踏み切るタイミングがなく、今後も数年落ち着く余裕がない、というご家庭は多数いらっしゃるかと思います。
育休を取るとなると勤務年数的に何年か待たないということも私たちにとっては大きなハードルでした。
そんな中でも年齢を重ねると妊娠リスクは上がりますし、何もしないのも時間がもったいないがどうすれば良いかわからない…という状況のときに友人から受精卵凍結の可能性を聞きました。
すでに夫の単身赴任が決まっていたため妊娠の可能性がグッと下がることや、転職による保険の切り替えを手前にして不妊治療をカバーしてくれる保険をできるだけ使って元を取りたいというのもタイミングと重なりました。
受精卵凍結を選んだ理由
👆のような理由ですぐの妊娠は望んでいない(というかそれは困る)ということと、将来の可能性を残したいという希望だったため、凍結という結論は比較的簡単に出ました。
卵子ではなく受精卵凍結を選んだ理由としては、子供が欲しくなってから解凍・受精させるリスクを下げたかったことが大きいです。
また、夫婦2人で妊娠の選択をする・夫の助けを借りて(夫の保険の扶養として)の治療という象徴的な意味合いが自分たちにとって大切だったのも卵子ではなく受精卵凍結を選んだ大きな理由です。
今すぐ子供が欲しいかわからない・今後子供が欲しくなるかわからない状態でも卵子・受精卵凍結が受けられる
ボストンでIVFを行った理由
たまたま住んでいたというのはもちろんありますが、成功確率が高いと評判の良いクリニックに通えるというのは今のうちにIVFをやっておく大きなインセンティブでした。
不妊治療の歴史は日本よりもアメリカの方が長く、中でもボストンは医療都市として腕の良い優秀な医療従事者が全米でもぶっちぎりで多く集結しているので、駐在や留学などでボストンにいる間にIVFと凍結を行うのは個人的にはかなりオススメです。
また2024年現在は州法で保険会社が不妊治療をカバーすることが義務付けらおり、保険金がおりるというお財布に優しい事情もあります。
また、ナースや医師が高齢妊娠・出産に対して理解があり「怖がらせない」医療をしてくれるのも心強いです。
日本の情報源からの偏った情報ではありますが、たとえば35歳で妊娠しようとする夫婦に対して厳しい対応する医師の出てくるドラマを見て衝撃を受けたのを覚えています。
私の受けたクリニックでは「35歳なんて超若い!40歳でも全然可能性あるよ!しんどいけどtake good careしてあげるからね、一緒に頑張ろうね!」とめちゃくちゃ励ましてくれます。
私たちが使ったクリニックはこの記事の最後でご覧いただけます。
アメリカは日本より不妊治療の歴史が長い
医療の充実している州であれば保険や施設、治療も充実している。
ナースや医師も高齢妊娠・出産に理解のある人が多い。
役に立ったアドバイス
とにかく時間がかかる
アメリカあるあるもあるかも知れませんが、不妊治療を始めるために行動し始めてから実際に卵巣刺激を開始できるまでにかなり時間がかかりました。
- PCPに連絡してから初診まで…1ヶ月
- IVFクリニックに連絡してから初診まで… 5週間
- 事前検査を始めてから保険申請まで…1ヶ月半
- 保険の承認が降りるまで…1ヶ月
このように、クリニックに連絡がつかない、専門医やPCPのアポが取れない、保険の承認待ち、検査結果待ち、生理待ちなど同時並行できないステップ色々含めて、最初にPCPに連絡してからIVF開始まで5ヶ月かかりました。
また低用量ピルを使用している場合は生理周期が戻るまで投与をやめて数ヶ月待つ必要があり、検査で異常が見つかった場合も先に治療が必要なため、さらに待ち時間が増える可能性もあります。
生理ごとにしかチャンスがない
不妊治療は基本的に生理のサイクルをベースに行われます。
事前検査や卵胞刺激のタイミングも生理開始日によって左右されますし、生理のタイミングが悪いと初診から検査まで、また保険承認から卵胞刺激まで次の生理を待たざるを得ないため、更にスケジュールが後ろ倒しになります。
卵胞刺激や培養がうまくいかず、再度IVFを行わないといけない場合も次の生理開始日を待って行われます。
何の根拠もありませんが、こういうときに限って生理が遅れたり生理不順になったりしました。
不妊治療はとにかく時間がかかります。余裕を持って始め、焦らず気長に進める気持ちが大切です。
私たちの場合は今すぐ子供が欲しくなる前に不妊治療を始められたので、気持ちに余裕がある状態で進められたのは本当にラッキーだったと思います。
お金がバカにならない
不妊治療は保険適応外の場合も多く、かかるお金もバカになりません。
アメリカでの治療だったので価格崩壊が起きている部分もありますが、排卵誘発剤も日本円にして十万円単位のものもあり、保険がカバーしている分も含めて事前検査と1サイクルで余裕で500万円かかりました。
私の住んでいるマサチューセッツ州ではinfertility careを保険会社がカバーすることが法律で決まっており、当時入っていた保険も手厚かったため、合計で自分たちで払った治療費は5万円程度でした。
このような事情があるため、保険でできるだけカバーでき、財布にも余裕があるタイミングを逃さないことが大切です。
高刺激法がデフォ
これもアメリカあるあるなのかもしれませんが、特に異常がない場合は割と問答無用で高刺激法での治療となり、連日排卵誘発剤を打つ治療になります。
人によっては副作用によって体に負担がかかる可能性があり、スケジュールも短期間ですがかなりハードなものになる心の準備をしておいた方がいいかもしれません。
負担の大きい高刺激法ですが、私たちは最初からこれでよかったなと思っていることを次項で詳しく解説します。
さっさとステップアップした方がいい
不妊治療にも自然妊娠や人工授精など色々な方法があり、体外受精にも刺激が少ない治療からステップアップすることもできますが、それぞれ生理周期ごとにしかチャンスがないため、色々試しているとそれだけ時間もお金もかかります。
私たちは将来のためにできるだけ早いうちの受精卵を凍結したかったので、個人的には健康で生殖機能も異常がないうちに寄り道せずに最初から高刺激法で体外受精にできてよかったと思います。
初診ではどれぐらいの期間トライして妊娠しないかを確認されます。
事前にIVF経験者である友人経由で、半年自然にトライしないと次に行けない・保険がきかないなど暗黙の規定があるらしいこと、妊娠できない期間は口頭でしか確認されないことを知っていたのは大きく、こちらの希望に沿う治療をしてもらいやすかったと思います。
低刺激から始め、色々試すとそれだけ時間もお金もかかる
できるだけ若く健康なうちに進むためにはさっさとステップアップした方がいい
以下、IVF各ステップでの経験談です。
① 事前検査
事前検査では不妊治療を始める前に、生殖機能に異常がないかを検査しました。
生理初日にクリニックに連絡し、日時を指定されて次の検査を行いました。
- ホルモン値計測
- 卵管造影
- 遺伝子検査
- 精子検査
ホルモン値計測
ホルモン値計測は生理3日目を指定して行われます。
生理開始日にクリニックに電話して予約を取り付け、採血でホルモン値のベースラインと遺伝子異常を、エコーで胞状卵胞数を検査します。
卵管造影
卵管造影は生理5-6日目に行われ、エコーで卵管が塞がっていないか確認する検査です。
私の使ったクリニックではHSGとHyCoSyという2種類の方法があり、当日空きがある方を指定されます。
この検査、痛いことで知られています。
私はHyCoSyを受けましたが、検査当日の朝はイブプロフェンを800mgを飲んでくるよう言われ、1日の許容量の4倍ほどの痛み止めというのもあってどれだけ痛いのかかなり不安になりました。
実際に検査してみると、生理痛のような鈍痛がプローブを動かすたびに何回かある程度で、そこまでひどい痛みではなく、検査後すぐに普通に歩いて電車に乗って、何ならスーパーで寄り道して家まで帰ったような状態です。
どちらかと言うと帰宅してイブプロフェンが切れてからの方が腰回りの痛さが増し、1時間以上座ってられなくなりました。しかし、これも一晩寝たらなくなりました。
遺伝子検査
遺伝子検査は上記のように採血で行われますが、検査結果が出るまで3週間と結構長い時間かかります。
劣性遺伝を調べ、夫婦ともに検査してどちらも同じ遺伝に劣性がなければクリア問題なしと見なされます。
私たちは400個以上の遺伝子を調べる検査を行い、お互いにいくつか"異常値"があったので若干焦りました。
しかし、一人で1つや2つ劣性遺伝子があるのは普通なので、どちらも同じ遺伝子に異常が出ていない限りそこまで気にしなくても大丈夫だということを病院から電話がかかってきて説明されました。
精子検査
男性は同時期に精子に異常がないか・血液検査でホルモン値も確認しますが、生理周期と関係なくフレキシブルなタイミングで検査可能でした。
生理3日、5日目と日単位で検査の日数が指定される
逃すと次のサイクルまで待つことになる
卵管造影は痛いと有名だが、指定された量の市販の鎮痛剤を飲み、診断時に痛みはなかった
卵管造影の鎮痛剤が切れてから翌朝ぐらいまで痛みが残った
遺伝子検査は結果が出るまで3週間ほどかかる
1-2個遺伝子異常があるのは普通。夫婦間で劣勢遺伝子が被ってなければ問題なし
精子検査はタイミング自由に可能
全ての結果が出揃うまでだいたい1ヶ月ほどかかる
②卵巣刺激
事前検査に問題がなく、保険の承認が降りてからは晴れて治療可能になり、生理開始とともに卵巣刺激を開始します。私たちの経験は以下の通りです。
スケジュール
- 8/15 生理開始
- 8/16 full flowになり、IVF専門医に連絡
- 8/17 ベースライン検査・卵巣刺激開始
- 8/20 検診(1回目)
- 8/23 検診(2回目)
- 8/26 検診(3回目)
- 8/27 検診(4回目) 卵巣刺激終了 トリガーショット
- 8/28 手術前検診
- 8/29 採卵
検診時コメント
- 検診1回目… エストロゲンは上がってきているが、卵胞はまだ小さい
- 検診2回目…エストロゲンは十分に高く、左右数個ずつ卵胞がある。小さい卵胞もチラホラある
- 検診3回目…薬の量を再調整して明日再検査。もうすぐ採卵できそう
- 検診4回目…採卵準備完了。2日後に手術
排卵誘発剤の手配
排卵誘発剤はspeciality pharmacyという特殊な薬局を通じて注文します。
使える薬局は保険によって異なるため、保険を通じて薬局を紹介してもらいます。
使用する薬局をIVF専門医に伝えて電子処方箋が薬局に承認されたら注文できるようになります。
私が使った薬局は配達で薬を届けてくれるため、初回は電話で注文し、2回目以降はウェブフォームを使ってオンライン注文が可能でした。
配達は最速1日で届きましたが、週末や祝日など考慮して必要となる2-3日前までに注文することが勧められていました。
保険によっては医師の承認がないと薬が注文できない場合があります。
処方箋が出たらすぐに保険に確認し、スムーズに注文できるようにしておくと後がラクになります。
排卵誘発剤の残量管理
卵巣刺激が始まってからは、薬の残量を管理して必要に応じて追加注文が必要でした。
当日になって薬が足りなくなるとそのサイクルでの刺激続行ができなくなるため、こまめに残量を確認して前もって注文するよう指示されます。
中には消費期限が短い薬もあるため、あまり前もって注文することも良くないことも伝えられました。卵巣刺激のたびに残量を確認して都度注文していました。
排卵誘発剤の投与
排卵誘発剤は毎晩自宅で、自身で皮下注射して投与しました。
specialty pharmacyが各薬の投与方法をレクチャーするビデオを公開しているので、最初のうちはそれを見ながら注射を打っていきましたが、慣れてくると作業になりました。
ほぼ毎回内出血しましたが、これで友人などをあたるとこれも普通なようです。
皮下注射で針も細く、あまり深く刺さないので、そんなに痛くも怖くもありませんでした。
最初はちょっとビジュアルがウッとなりますが…
卵巣刺激と検査
卵巣刺激は毎晩決まった2時間の枠で打ち、平均で10-12日ほど連続で皮下注射を続けるよう指示されました。
卵巣刺激が終わるタイミングは卵胞の成長具合によって決まり、初期で3日に1日ほど、後半になるにつれては2日に1回または毎日クリニックで検査を行いました。
排卵誘発剤の量や、次の検査・トリガーショット・採卵のタイミングも検査結果によって決まり、採卵の正確な日時も2日前にならないとわかりません。
多い時は(ロットの残量が少ない場合)5本打つ日もあり、慣れてもなんだかんだ全部打つと20分ぐらいかかります。
また、トリガーショットは打つタイミングを分単位で指定されました。
このように、卵巣刺激中はスケジュールが注射や検査のタイミングに左右される上に直前まで予定が決まらず、リスケもできませんでした。
そのため、卵巣刺激中は予定を動かせるように事前準備しておくことがポイントです。
私の通っていたクリニックでは検査は朝6-8時の間の朝早く行われ、仕事のスケジュールとはバッティングしないようになっていたためある程度の無理はできました。
クリニックの場所によっては期間中レンタカーを借りておくこともオススメです。
排卵誘発剤は自宅で自身で打つ
平均10-12日程度、2時間枠で必ず打つ
なんだかんだ必要なものを全部打っていると20分ほどかかる
薬局は配達で誘発剤を届けてくれる
薬の残量を確認して必要に応じて注文するのも患者の役割
最初は3日に1日ほど、後半になると2日に1回または毎日検査
検査の予後によって卵巣刺激量や手術の日程が決まり、リスケ不可
自分で穿刺、内出血するが、皮下注射で針も細いので痛くはない
排卵誘発剤の副作用
自身の経験として、生活に困るような副作用は出ませんでしたが、軽い副作用がいくつかありました。
まず初期の卵巣刺激だけ行っている時期には軽いめまいを感じることがありました。
ご飯を食べ忘れて血が回ってない、のような状態と似た感じであまり重篤ではありませんでした。
排卵抑制剤を打ち始めた日には軽い倦怠感があり、筋肉が全体的に強張るような感覚がありましたが、夜寝て12時間経った頃には症状がなくなりました。
後半になるにつれてお腹の張りが強く感じられ、揺れたり寝返りを打ったりすると違和感を感じるようになってきます。
最後の数日はお腹がぽんぽんで、ちょっと動くとお腹と腰回りが張って痛い状態がずっと続いていました。
食べ過ぎたときの感じに似ています。
寝込んだりするほどではなかったですが、お腹周りがちょっとでもキツイ服を着たら痛みが増すぐらいには慢性的に痛かったので、あんまり動かずじっとしている程度の支障がありました。
卵巣刺激中の運動について
ランニングなど跳ぶ要素のある運動、HIITなどの激しい運動、ヨガなど卵巣をひねる運動はしないように指示されていましたが、最初の1週間はジムでウェイトトレーニングをしていました。
クリニックによってはウェイト禁止のところもあるようです。
その後は明らかに運動しない方が良いようなお腹の張り方をしたので、ジム通いをいったんやめました。
移動は基本自転車でしたが、道路が悪いときなどの卵巣への刺激が気になるので、最後の1週間は移動も車か徒歩、公共交通機関だけ使いました。
かなり不便でしたが、サイクルがダメになったり卵巣が傷つく方がダメージが大きいと考えてグッと我慢しました。
また、プールや温泉、マッサージなども控えたため、卵巣刺激が始まってからはあまり何もできることがなかったです。
トリガーショット
採卵36時間前にトリガーショットを打ち、排卵を促します。
時間をきっかり指定され、5-10分ぐらいの誤差以外は許されないような雰囲気でした。
トリガーショットは色々な組み合わせのパターンがあり、検査結果によって当日指示されます。
組み合わせによっては筋肉注射があり、皮下注射よりも針も太く深く刺します。
太ももとお尻からどちらかを選びますが、痛くない方なら断然お尻がオススメです。
生活に支障をきたすほどではないが、副作用はある。後半になるにつれて、運動や自転車移動など、普段のように生活しにくくなってくる
採卵
準備
まず、術前準備として、手術8時間前から水も含めて何も摂らないよう指示されました。
アメリカだと採卵は全身麻酔で行われます。
そのため、術後は必ず大人のお迎えが必要(タクシーなどは不可)です。お迎えがいない場合最悪手術自体がキャンセルになります。
お迎えの人や病歴の情報は事前にオンライン入力して情報提供します。
術後は麻酔によって自律神経がフルに回復し切っておらず、寒気を感じる方もいるようです。
ホッカイロがもらえるクリニックもありますが、基本は持参なので気になる方は準備すると良いかもしれません。
寒く感じるだけで寒くなっているわけではないので、使用時は火傷に注意です。
また、麻酔が切れてから痛みが出る人もいるようですので、鎮痛剤を用意しておくのもオススメです(クリニックによってはもらえません)。
長期戦になる場合は、イブプロフェンとタイレノールは交互に摂るように言われ、何時以降に飲んでいいか術後に指示がありました。
麻酔または術後の鎮痛剤としてオピオイド(麻薬性鎮痛剤。名前の如く中毒性が高い)を処方するクリニックもあるので、飲むかどうかあらかじめ決めてから臨むことをオススメします。
私の場合は麻酔の中にフェンタニルが入っており、術前にビビって説明をお願いしました。
痛みが強くなるなどの効果も考慮すると、その場で決断するのは結構勇気がいります。
男性は手術の12-24時間前に射精して当日フレッシュな精子が提供できるように準備するよう指示されました。
当日は全身麻酔のため、お迎え必須。タクシーなどは不可
術後に鎮痛剤の処方がない可能性があり、イブプロフェンやタイレノールを用意しておく
麻酔の自律神経への影響で寒気を感じることがある
アメリカだとオピオイドを処方される可能性があるため、その場で断る準備を
当日
当日は手術の1時間前に到着し、受付を済ませてから、男性はすぐに精子提供をします。
私は病室にまず通され、本人確認や書類のサイン、着替え、点滴をするためにしばらく時間がかかりました 。
手術室に入ってからは手術台に乗ったり本人確認したり5分ぐらい意識のある状態で過ごすものの、麻酔が点滴に入ってからはちょっと痛いな…から意識がなくなるまで5秒ぐらいでした。
手術自体は15分ほどで終わり、切開ではなく穿刺で卵を取りますが、ずっと意識がないので時間の感覚も痛みもありません。
術後に目が覚めてからは30分ほどバイタルサインの経過観察をし、ジュースとスナックをもらって問題なければそのまま帰宅します。
術前の受付から術後経過観察・退院まで、およそ3時間で採卵は終了です。
痛みは麻酔が切れたぐらいから出てきますが、麻酔にオピオイドが入っていたこともあって腰ちょっと痛いぐらいしか痛みはありませんでした。
私の場合は連日の早朝検査とお腹の張りで相当疲れていた・手術が朝早かったのもあって術後はグッタリ燃え尽きて、帰ったら昼まで爆睡しました。
当日は安静にするよう言われますので、残りの1日は活動せず寝て過ごすのがベストです。
培養・凍結
培養と凍結はクリニックのラボが行うので、安静に過ごしつつ経過報告の連絡を待ちます。
生存数報告のタイムライン
私の場合、経過報告と各段階での生存数は次の通りです。
- 手術直後…採卵できた卵子数 (17個)
- 手術翌日…成熟した未受精卵数 (12個) と受精に成功した受精卵数 (6個)
- 手術1週間後…凍結した受精卵数 (4個)
17個→4個だとかなり減っているように見えますし、実際に私も受精卵数が6つまで減った時はかなり凹みましたが、各ステップの生存率が50-80%なのは普通の範囲内のようです。
採卵した卵の数と実際に凍結できる卵の数は別で、どれぐらい減るかは運次第
成熟、受精、受精卵成熟の各ステップ生存率は50-80%
数が減っても落ち込んだり自分やクリニックを責めすぎない
生理
トリガーショットを打った影響により、トリガーショットから1週間ほどで生理になる人が多数です。
何も知らないと手術後に出血がぶり返したように見えます。私の場合はナースが先に言ってくれず、かなり焦りました。
予後
ここではすぐに体内に戻すのではなく、凍結後の予後について簡単に説明します。
手術から1ヶ月後ぐらい、身体も回復してきたぐらいのタイミングで医師と15分程度の短いカウンセリングがありました。
受精卵を戻すタイミングが決まっているか、もう一周やりたいかなど聞かれ、次のステップを決めることが目的です。
時期は未定だが凍結が希望ということで、卵を戻したくなったらまた連絡という形で全行程が終了しました。
すぐに卵を戻す場合はIVF前のカウンセリングでその意図を確認され、採卵後のスケジュールが異なります。
不妊治療クリニックについて
こういった声が非常に多かったので、担当していただいたクリニックを有料記事にて公開いたします。
有料記事部分では、クリニック名とクリニックのホームページを記載しております。(2024年現在、HP内に連絡先の記載があることは確認しております。)
また、有料記事部分の情報は「私はこのクリニックで受精卵凍結を行って成功させ、大変よく面倒を見てもらえました」以上でも以下でもありません。
有料部分は不妊治療の成功を保証するものではございませんし、治療の一切は担当医師に一任しており、当方は一切の責任を負いません。また、取次や紹介、質問への回答、サポートなどは一切行なっておりません。
以上をご了承の上、自己責任にてご購入ください。
まとめ
以上「アメリカで受精卵凍結を行った全記録」でした。繰り返しになりますが、人による部分や不安や不明点、戸惑うことも多く、体験談が多くある方が役に立つかと思います。ぜひ参考にしていただければと思います!
「役に立った」と思っていただけたら、シェアいただけますと幸いです。ブログやWEBサイトなどでのご紹介もとても嬉しいです!